双姫 Ⅱ
「…朱音。」
『失敗…かな。』
三人は会場から出て行ってしまった。
「結果がどうであったにしても
伝える事に意味があるのよ。
貴女は良くやったわ。」
少しでも届いていれば良い…。
私にはそう願う事しか出来ない。
「要件は済んだし。
料理を食べましょう!ここは絶品なのよ♪」
『お母様…まさか、その為に出席を?』
「あら、それ以外何があるって言うの?」
てっきり私の付き添いと思ったのに…。
うん、間違ってたみたい。
『どうぞ、好きなだけ食べて下さい。』
私は身も心も疲れ果てました。
だから、ここで寛いでますよ。
「そう?じゃあ、行って来るわね♡
でも、食べなくても
持ってるフリしといた方が良いわよ♪」
『…え?』
持ってるフリって?
「じゃあねぇ〜♪」
意味深な言葉を残して
母さんは料理がある方へ向かって行った。