双姫 Ⅱ
『持ってるフリって…?』
一人になって、
遠くから料理を物色する母さんを見る。
母さん…目がハンターみたいだよ。
「神崎さん!」
『は、はい!』
突然声を掛けられてビックリしてしまった。
慌てて振り向くと
そこにはさっき倒れて運ばれた男性が居た。
『貴方は先程の…。
もうお身体は大丈夫なのですか?』
「ええ!
ご心配お掛けして申し訳ございません。
余りにも神崎さんの笑顔が眩し過ぎて…。」
『私の笑顔が…ですか?』
…太陽じゃないんだけどな。
もしや、テカってるとか!?
「貴女の笑顔は私の癒しです…。
是非、私と一曲踊っては下さいませんか?」
『…へ?』
お、踊る…?
気付けば周りはダンスパーティーと化していた。