双姫 Ⅱ
類が来てくれなかったら
私は確実に黒男に連れ去られていた。
『…ッ……ありがとう…。』
私、助けられてばっかりだ。
「全く…類の暴走は獣みたいですね。
正直、近付くのを躊躇いました。」
類が抵抗しなくなったのを確認した三人は
ゆっくりと離し、安堵の表情を浮べた。
「類ってあんなに強かったんだねぇ!
流石、『樺沢組』の次期組長!!」
「んな事よりコイツ何者なんだ?
なんで朱音を狙った。」
『肝心な所はだんまりなんだよね…。
私を「連れ去るのが仕事だ」って言ってた。』
黒男は気絶しているのかグッタリとしていた。