双姫 Ⅱ
「神崎 朱音。
今日の所は引くが、必ずお前を連れ去る。」
『誘拐宣告?
その前にアンタの依頼者見つけ出して
潰してやるわよ!!』
「威勢の良い女だ。
それはいつまで続くか楽しみだ。」
フードから見える口元がニヤリと歪んだ。
「朱音には手を出させない。
それでも来るなら俺が相手になってやる。」
「…樺沢 類。
依頼主からお前を消すように言われている。
次に会った時、息の根を止めてやるからな。」
『その依頼主って誰よ!
類を消すなんてそんな事させない!!』
「そうやってお前が
ソイツを庇う程、依頼主は怒りに震える。
覚えておけ、この状況を招いたのはお前だ。」
訳の分からない事を言う黒男は
その言葉を最後に私達の前から姿を消した。