双姫 Ⅱ
「朱音、おかえり!ってどうした?」
「何かあったのか。」
流石、分かるもんなんだね。
『ちょっと聞いて欲しい事があるの。』
そう言ってソファーに座ると皆も座った。
『あのね…今日、拉致られそうになった。』
「「「はぁ!!!???」」」
『…見事なハモりをありがとう。』
「どういたしまして!じゃねぇよッ!
どこのどいつだ!!」
『それが、フード被ってて分からなかった。
依頼主って言ってたから
雇われて私を狙ったんだと思う。』
「その他には何か言ってなかったの?」
『類を消すように言われてるって…。』
「類だと…?なんでそこで類が出てくんだ?」
『そんなの私が聞きたいよ!
私が類を庇う程依頼主が怒るって…。
言ってる事滅茶苦茶で分かんないんだから!』
あの時、黒男を逃がしたりしなければ…。
今更になって後悔する。