双姫 Ⅱ
「おぶろうか?」
『………はい?』
すみません、私の聞き間違いでしょうか…?
「朱音が良ければおぶるよ?」
うん、間違いじゃない。
この人は私をおんぶしようとしています。
「良いねぇ!その方が負担かからないし♪」
「異論はありませんね。」
「だなぁー!」
「やって貰えよ。」
『ちょ、ちょっと!?』
皆、なんて事を言ってくれちゃってんの!!
「はい!どーぞ!!」
私の前に背を向けて低く屈んだ類。
『え、ちょ……。』
「松葉杖は私が責任を持って預かりますから。
さぁ、どうぞ?」
李樹に両手から松葉杖を取られ、
結局…私は類におんぶされる事になった。