双姫 Ⅱ
『情けねぇ…これが今の限界かよ。』
組手を始めてたかが二十分程度。
それで足にガタが来た。
悔しくて堪らない。
頭では相手がどう避けるか、
攻撃するか分かるのに身体の反応が遅れる。
「朱音…落ち込むなよ。
まだ始めたばっかじゃねぇか。」
紘にぃに手を引かれ、
立とうとするが震えて立つ事が出来ない。
『クソ苛つくこの足。』
「不機嫌で男口調になってんぞ(笑)」
苛つくもんは苛つくんだもん。
「大丈夫…?痛くない??」
近くにあるソファーに座ると、
『双覇』の皆が駆け寄って来た。
『痛くは無いけど力が入んない。』
「でも、凄かったねぇ!」
「瞬(まばた)きすんの忘れてたぜ!!」
『あれでも紘にぃは本気出してないよ?』
その言葉に皆が固まった。