双姫 Ⅱ


「朱音酷いよぉ〜(泣)」


『私は何も嘘をついていません。
真実を言っただけです。』


見た目は燐と同様に可愛い顔して
中身は悪魔みたいに恐ろしいんだから。


「んー…でも、強くなりたいからなぁ。
芦基先輩!よろしくお願いします!!」


燐が芦基に頭を下げた。


「お!初めてだよ!僕に稽古頼んだの♪」


余程嬉しかったのか照れながら笑っている。


「それじゃあ、早速始めようか。」


可愛らしい笑みが悪魔の笑みに変わったのは
私と『神龍』しか分からないだろう。


…燐、幸運を祈る。


芦基の恐ろしさを甘く見ると痛い目に遭う。

静かに芦基に付いて行く
燐の背中を同情の眼差しで見送った。


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