双姫 Ⅱ


最初みたいに話しながらの撮影だったから
あんまり緊張せず、順調に進む。


「朱音、話があるんだ。」


『何?』


類を見ると真剣だったから私も耳を傾けた。


「急で驚くだろうけど…。」


ポケットから何かを取り出し、
それを私の左薬指に填(は)めた。


「卒業したら俺と結婚しよう。」


私の薬指に填められたのは
真ん中にダイア。
その両側にはルビー、サファイアの指輪だった。


『え…嘘……。』


突然のプロポーズに困惑する。


これも撮影の一部…?


「やっと母さんからGOサインが出たんだ。
親父も賛成してくれてる。」


『ほ、本当に…?』


嬉しくて涙が溢れ出る。


「俺と結婚しよう。
まぁ…「嫌」って言っても聞かないけどね?」


そして、二人同時に口付けを交わした。


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