双姫 Ⅱ
『いい匂い~♡』
クレープを食べながらゆっくり歩く。
「うん……。」
『類…辛いなら戻っても良いよ?
私なら大丈夫だから!』
本来なら私は皆を待つ立場な筈。
でも、私を病人扱いしない。
きっと分かってくれてるんだ。
「皆に「サポートする」って言ったから側に居る。」
『うん…無理しないでね?』
やっぱり、類はまだ女嫌いだ。
私も急に触られたら拒絶しちゃうけどね。
でも、類は大丈夫。不思議…。
辛い筈なのにこうして側に居てくれる。
そんな優しさを好きになった。
…たまに狼っぽくなるけど。
「おーい!買って来たぞ!!」
愁斗が大量のたこ焼きを持って来た。
『あ、ありがとう!』
「愁斗…買い過ぎ。」
「あ?そうか??」
……何箱買ってんのよ。一、二…六箱ある。
『そんなにたこ焼きが好きなんだね…。』
この量を食べたら当分たこ焼きは見たくない。
まぁ、買った本人が嬉しそうだからいっか!
『たこ焼き買ったから先ずは戻る?』
「だな!戻って皆で回ろうぜ~!!」
集合場所の神木に向かった。