双姫 Ⅱ
『お久し振りですね。
パーティーでお会いした以来ですか?』
「覚えてて下さったのですか!
なんと喜ばしい…。」
普通なら女に騒がれる容姿だが
この気持ち悪さで台無しになっている。
『これは一体なんの仕打ちです?
列記とした犯罪行為なのではないですか??』
「私は大切な婚約者を
他の虫に寄られない為にしているだけです。」
『私は貴方と婚約した覚えはありません。』
なんとめでたい勘違いをしているんだろう。
「何故ですか…?こんなにも愛しているのに。」
『私には他に想いを寄せている人が居ます。
その人と婚約しました。
貴方と私は赤の他人なのです。』
「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だッ!!!」
『…私を帰して下さい。
どうせ、この場所は直ぐに見つかるでしょう。』
『神崎組』が動き始める筈だから。