双姫 Ⅱ
兄
バタバタと騒がしい音が聞こえる。
「どうやら『神崎組』と『樺沢組』を
引き連れて来た様だ。」
『あの男…死なないよね?』
「…それは否定出来ないな。」
もう完全に依頼主を見捨ててる翠。
それよりも類の事を心配してる。
弟想いの兄なんだと分かった。
『翠、今からでも類に…「朱音!」類!!』
後ろを振り返ると類が居た。
私を見て安心したのも束の間、
隣に居る翠を見た瞬間、殺気を感じた。
「お前…この間の!」
「…行け。」
『で、でも!』
このままじゃ、誤解したままになってしまう。