双姫 Ⅱ
類side
「…ッ……朱音?」
目が覚めた俺は先ず朱音を探した。
周りは薬品のせいなのか炎が広がっている。
「朱音!朱音ッ!!」
『…うぅ………。』
「安心しろ、気を失ってるだけだ…。
落石に頭をぶつけたんだろう。」
「お前、その傷……。」
「持ってた小瓶も衝撃を受けて割れた。
只の火傷だ。」
左腕に酷い火傷を負っていた。
「俺らを助ける理由はなんだ?」
朱音を抱き上げ、男に近付く。
「……弟を助けるのに理由がいるか?」
フードを外した男の顔は俺と瓜二つだった。