双姫 Ⅱ
「ねぇ、あの人って…。」
「だよね!あのCMのモデルじゃない!?」
遠くでそんな声が聞こえた。
『真白、出るよ。』
「う、うん。ごめんね…。」
やっぱり、着替えるんじゃなかった。
皆と居る時は顔を見せてるけど、
街に行く時はフードを被ってた。
財閥にも私の顔は知られたし、
一般人にもCMでバレちゃった。
面倒事になる前にこの場を離れたい。
試着した服を店員に渡し、店を離れた。
「朱音、ごめん!
私が無理に着替えさせたから…。」
『真白のせいじゃないよ。
まさかタイミング良くあれが流れるなんて。』
恥ずかしい…まだやってたんだ。
「じゃあ、フード付いてる服を見に行こ!
そんで着替えてから回ろうよ!!」
『…ありがとう。』
着替えさせた罪悪感があったのか
真白はフード付きの服を探してくれた。