双姫 Ⅱ
違和感
「朱音、もう食べないの?」
『あんまりお腹空いてなくて。』
大好きな母さんのお弁当。
それなのに半分も残してしまった。
「えぇ〜?
それ朱音のお母さんが作ったんでしょ?」
「病気か?
あんなに美味い美味いって食ってたのに。」
『人を食いしん坊みたいに言うな!』
失礼なんだから…(怒)
申し訳ない気持ちでお弁当を包み、
鞄の中に入れた。
「五時限目は体育ですが大丈夫ですか?」
体育か〜。
『あ、燐。
テニス勝負するって『約束』だったね!』
「覚えててくれたんだぁ〜!」
「俺も!俺も!!」
『絶対負けないからねー?』
退院して直ぐに夏休みだったから
なかなか出来なかったんだよね。
燐が嬉しそうにしてるから良かった。