双姫 Ⅱ


「お待たせしまし…あら?」


頼まれたカサブランカを包み、
彼女の元へ戻ると


『……スー…スー……。』


あどけない顔で眠っていた。


「寝ちゃったわ(笑)
タオルケットタオルケット!」


起こさない様に
タオルケットを膝に掛けようと近付く。


膝にタオルケットが触れた瞬間、


パシッ!


腕を掴まれた。


『……あ、すみません!』


「いいえ、驚かせちゃったかしら?」


『寝ちゃうなんて恥ずかしい…。
あ、これ花の代金です。』


「はい、ありがとうございました!」


『本当にすみませんでした。』


そう言って彼女は店を出て行った。


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