双姫 Ⅱ
「朱音?朱音なのね!?」
女が私に触れようとする。
『触んないでッ!!』
手を振り払い、奈緒珠さんの背に隠れた。
「お帰り下さい。
蒼空ちゃんのお墓は教えましたが
朱音ちゃんとの接触は許しません。」
『お墓…?』
じゃあ、あのキーホルダーと花は
奈緒珠さんじゃなくてこの人が…?
「少しだけでも話を!お願いします!!」
『奈緒珠さん、この人は…?』
顔を見た瞬間、分かったけど
どうしても聞かずにはいられなかった。
「朱音ちゃんの母親よ…。」
私と蒼空を捨てた母親が今、目の前に居る。