双姫 Ⅱ
「…朱音、話したいなら話せ。
話したくないなら
俺がソイツをこの場から連れ出してやる。」
『え゛!?』
連れ出すって…。
『え、えっと…話したい…かな?』
「その代わり俺らも聞くからな。
異論は無しだ。」
『あ、どうぞ…。
えっと初めまして神崎 朱音です。』
他人行儀で挨拶した。
「お母さんとは呼んでくれないのね…?」
私に似ている顔で涙を流す女性。
『捨てた人が何を言ってるの?』
こっちが泣きたい。