双姫 Ⅱ
「ごめんなさい…。
でも!迎えに行くつもりだった!!」
『迎え…?』
「私は貴女達を17で身篭った。
まだ学生だった私は両親にも反対されたけど
内緒で産んだわ。
父親は逃げたけど中絶なんて考えられなかった。
でも、育てる事を甘く見てたの。」
『お金…。』
「恥ずかしいわよね。
甘ったれた考えで産んで、
育てる事が出来ないなんて…。」
「そして、この人はこの施設に
双子の赤子を置き去りにした。
名前が書かれた紙を添えて。」
その名前が『朱音』と『蒼空』だった。
「学校は退学。
なんとか職に就こうと思っても
アルバイトしか雇って貰えなくて泥沼だった。」
その間に蒼空は死に、
私は『神崎家』に引き取られた。