双姫 Ⅱ
「朱音…とても綺麗よ!」
『母さん、ありがとう。』
「良く似合ってる。嫁に出すの止めるか。」
「類が泣くだろ!
アイツはずっと楽しみにしてたんだからな!」
『紘にぃが言うって変なの(笑)』
「もう、式が始まるわ。行きましょう!」
『うん!』
父さんの腕に手を絡ませ、足を踏み出した。
「帰りたくなったらいつでも帰って来い。」
『そこは「上手くやれよ」じゃないの?』
ヴァージンロードを歩きながら
父さんと冗談を言い合う。
「寂しいもんだな……。」
父さんを見ると涙目になっていた。
反則だよ!
私まで涙が出て来た。