双姫 Ⅱ
『もう!この話は後にして!
私は魁と話がしたいの!!』
そんな事言って大丈夫なのか?
「へぇ…分かった。」
朱音、横を見ろ。狼が舌舐(なめず)りしてんぞ。
「お母さん、明日ベッドから出れないね。」
「介護決定だねぇ〜(笑)」
「母さんは父さんが居るから浮気駄目!」
そして、この双子はなんて会話をしてんだ。
息子は旦那似だな…将来が恐ろしいぞ。
『魁!やっと出られたね!!
変だけど…おめでとう!』
そんな事を知らない朱音は
俺の手を取り、笑顔を向ける。
「あ、あぁ…ありがとう…。」
正直、この手を離したい。
結婚してんのに余裕がねぇのかよ。
今にも殺されそうで冷や汗が吹き出る。