双姫 Ⅱ
『…恩人を刑務所にブチ込んだ事は謝る。
でも、どうしても許せなかった。
その気持ちを否定するなんて出来ない。
そんな事したら今の私は居なかったから。』
夢で幼い私が問い掛けてくるんだ。
どうして自分だけ幸せになろうとしてるの。
蒼空は私を庇って死んだのにって……。
泣きながら私に訴えるんだよ。
でも、生死の境をさ迷って
蒼空に会ってからは一度も無い。
きっと…「生きて欲しい」と言われたからかな。
「これでアイツらがしてきた事が
大体予想出来るだろ。
分かったらもう関わんなよ。」
玲の言葉に三人は力強く頷いた。