双姫 Ⅱ
『行ってきます!!』
「行ってきま〜す。」
「「行ってらっしゃい!」」
母さんと父さんの声を聞き終わって、
扉を開け、踏み出した。
『ん〜♪久々の学校!』
普段ならダルいけど凄く楽しみなのは
病院生活だったからかな?
「朱音、足はどうだ?」
私のペースに歩く紘にぃ。
バイクで送ろうとしてくれたけど
私の我儘で徒歩で登校している。
『うん!へっちゃらだよ♪』
早く走れる様になりたいし!
これもリハビリと思って
若干フラつく足を動かした。
「お、門の前で待ってるぞ。」
『ん〜?あ、本当だ!!』
遠目からだけど
人だかりの中に見覚えのある頭が見える。
あ…類は大丈夫なのかな。
「おい!朱音!?」
走れない事も忘れて、私は駆け出した。