双姫 Ⅱ
『今、包装して貰ってるよ〜。』
「ところで、お墓はどこにあるんですか?」
「街中で買うんだったらここから近いとこか?
この辺に墓なんてねぇ筈だけど。」
『蒼空のお墓は無理言って建てたからね。
皆が思ってる所には無いよ〜。』
普通は墓地に建てるもんなんだけど
私達には親が居なかったからね。
母さんと父さんに頼み込んで
奈緒珠さんと三人でよく遊んだ草原に建てた。
『蒼空のお墓は街外れにあるんだ。
バイクだとそんなに掛からないから!』
「お待たせしました!」
奥からパタパタと足音をたてて、
女の人が花束を抱えて出て来た。
『ありがとうございます!』
受け取って代金を渡すと顔を覗き込まれた。