次も、優しく丁寧に。
次も、優しく丁寧に。
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近付いていく私を見つけると、彼は気だるげにため息を吐いた。
ただでさえ着崩して着ているスーツの上着をおもむろに脱ぎ、シャツのボタンをひとつ外してネクタイを緩める。やる気がないのが一目瞭然だ。
「……ちょっと、やる気出してよ」
声をかけたところでもう一度、しかも今度はわざとらしくため息を吐かれる。
どうしていつもこうなんだ。
他の子が会いにくるとにこにこと愛想を振りまいていて「ホストか!」って突っ込みたくなるくらいなのに。
「だーってさぁ。お前、下手なんだもん」
「なっ」
「いつになったら上手くなるわけ?なあ」
はーあ、とまたため息。
長い脚と両腕を同時に組みながら私を呆れたように見てくる。
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