次も、優しく丁寧に。
「……マジで言ってんの、それ」
「うん。真偽のほどはわからないけど、一応教えておこうと思って」
「いつもの仕返しとかじゃなくて?」
「仕返し?」
きょとんとして聞き返すと、やべ、と口を抑えて私から目を逸らす。
「ちょっと何よ仕返しって」
「うるせーな」
「もしかして、わざと?」
「うるせっつの。別にわざとしなくたってお前下手くそだし」
「なんでそういうことするの、だから取り替えとか言われるんだよ」
「うるせえっつーの!今日から少しは真面目にやるよ」
「いつもやってよ!」
じりじりと近づいて問い詰めていくと、いつも余裕のあるこの人の顔がじわじわと赤くなってくるのがわかった。
なにこれ。
思ってたより可愛いじゃない。
ずっとずっと苦手で、近付くのも嫌なくらいだったけど。