次も、優しく丁寧に。

「……何ニヤついてんだよ気持ちわりーな」
「顔真っ赤にしながら言われても説得力ないもん」
「バッ、カな事言うな」
「あーよかったー今日は上手に出来た!」
「人の言う事を聞け!」

 いつもは毒を吐かれながら受け取るものを今日は勝手に受け取って、にこにこと笑顔で返してやる。
 ぐ、っと言葉に詰まったのはこの人の番で、初めて見た慌てっぷりに少し楽しんでしまったのも本当だ。
 そんな趣味はないつもりだけど、どうやらこの人に対しては特別らしい。

「ねえ、今日は上手だったでしょ?」
「……まーな」
「次も優しく丁寧に教えてね。少しは素直になるんだよ。私と会えなくなるのが嫌だったら」
「バ!調子に乗るんじゃ」
「じゃあありがとうね!またね」
「おい待てって!俺は別に!!」

 後ろから絶叫が聞こえてきたするけど、可愛い犬の遠吠えだと思って気にしない。
























彼/この人=複合機、でした。 
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