Another・Cinderella

新たな闇

目を開けると、真っ白な天井が視界を埋め尽くしている。

「気が付いた?」

マネージャーが私の顔を覗き込んで言う。

「ここは…?」

「病院よ。りりな、楽屋で倒れたの。覚えてない?」

あぁ、そうか。急に胸が苦しくなって。
記憶喪失の次は何なの?

すると先生が入ってきた。
あっ、油井先生。

「莉々夏ちゃん、大丈夫?」

記憶を失った事で何かあったんじゃないか、と、駆けつけて来てくれたらしい。

「そういう感じでは無さそうだね。」

じゃあ僕は失礼するよ、と油井先生は帰って行ってしまった。

そしてそれと同時に看護師さんが入ってくる。

「動けますか?診察室に行って、先生の話を聞きましょう。ご家族をお呼びしますか?」

私は家族にこれ以上心配をかけさせたく無かったため
「いえ、結構です。」
と言い、一人、診察室へ入った。
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