Another・Cinderella
「ってか敬語やめろよな。俺ら幼馴染なんだぜ?」

ハハッと笑いながら彼は言う。

幼馴染…かあ。なら…

「私と慶ちゃんと柊ちゃん、3人とも…?」

「あぁ。」

彼は少し冷めた口調で言った。

その時、慶ちゃんが、水を持って戻ってきた。

「莉々夏、立てるか?」

「あっ、うん、大丈夫。ありがとう、慶ちゃん。」

「あぁ。」

慶ちゃんは片方の腕で私の腰を支え、もう片方の腕で私の腕を肩に回す。
そして、その場から私を立ち上がらせた。

そして柊ちゃんの方をキッと睨みつける。

「お前、もう莉々夏に近づくなって言っただろ。」

「なんでお前にそんなこと言われなきゃなんねぇんだよ。」

ちょっとちょっと二人とも。道のど真ん中で喧嘩はよして下さい。

「まぁまぁまぁまぁ……」

宥めようとするものの、無理っぽい。

先に口を閉じたのは柊ちゃんだった。
クルッと後ろを向き左手をひらひらさせて。歩いて行った。
薬指のリングが、綺麗に輝いて、眩しかった。


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