Another・Cinderella
中には眉間にシワを寄せ、難しい表情をした先生。

いやぁ〜、私こういうの苦手だわ。

そんなことを思いながら先生の前に置いてある黒いイスに座る。


「わたしは、あなたの担当をする、油井 健吾(ゆい けんご)です。」

おっ、なんか柔らかい雰囲気になった。
笑うとすごいカッコいいじゃん。

「お〜いっ?聞いてますか?」

やばい。完全見惚れてましたわ。

「あっ、ごめんなさい!はい、なんでしょう?」

「あなたのお名前と、誕生日、現在の年齢を教えて下さい。」
ニッコリ微笑みながら、ゆっくりゆっくり話す先生。

「名古路 莉々夏(なこじ りりな)ですっ!8月15日生まれの、21歳ですっ!」

しまった。めっちゃ声張っちゃったし。普通に喋ったつもりなんだけどな。

「ははっ。元気があってよろしいっ!自分のことは分かるようだね。家族のことも分かるかな?何人家族?とか…」

「3人家族です!父と母と私の。」

「そこらへんはOKみたいだね。じゃあ自分の職業は、分かるかな?」


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