クールな君の溺愛
「んーー、おわったー!」
達成感で思い切り伸びをする。
「お疲れさま」
ほっぺに当てられた冷たさに振り返ると
「フルーツオレ!」
「はい。苺花、好きでしょ?」
「わぁぁぁん、さっちゃんありがとぉぉぉ!」
はいはい、苦笑いで軽く流したさっちゃんに瀬川くんが首を傾ける。
「あれ、ーーー?俺のぶんは?」
「なんで私が瀬川に飲み物奢らないといけないのよ」
しれっとかわしたさっちゃんにむぅ、と口をすぼめる。
そんな動作さえ似合ってしまう瀬川くんは、やっぱり『爽やか王子』だ。
「俺は、たまごソーダが好きなんだけどなぁぁぁ」
「瀬川、味覚おかしいんじゃないの」
たまごソーダとは、今話題のコンビニ限定コラボソーダのこと。
たまごの甘みとソーダのさわやかさが売りだったものの、そのふたつの相性の悪さから『日本一まずいソーダ』として罰ゲーム用やパーティー用に人気がある。
そんなたまごソーダが好きなんて…
「瀬川くん………」
「橘まで!?ちょ、そんな、かわいそうなものを見るような目で俺を見るなぁぁ」