クールな君の溺愛






「そんなにたまごソーダ飲みたいなら、これはいらないかしら?」


にこっと笑ってさっちゃんが取り出したのはミルクティーの缶で


「ありがとう。凪瀬がくれたものならなんでも嬉しいよ」

「私も、ごめんね。まさか、瀬川が変わった味覚の持ち主だとは知らなくて」

「っだから、それはもう言うなって」




口をすぼめて拗ねる瀬川くんとそれをかわすさっちゃんとの掛け合いにひとしきり笑うと


あ、これ返さなきゃ。


私はノートを持って立ち上がった。


まるで、人が読むために書かれたような、几帳面に文字が並べられたノート。


「藤堂くん、ノートありがとう。」

「………別に。」



この冷たさも照れ隠しかもしれないって思えば…

「ふふっ、かわいい。」

「は?何言ってんの。」


こぼれた言葉さえも一刀両断される。



お隣さんと、仲良く

………なんて、私、無理かもです。





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