クールな君の溺愛
「えーっと………ここで、あってるよね!?」
地図を見ながらやっと見つけた『楠木荘』の文字。
何度も下見に来たからちゃんと来れる!って思っていたし、お母さんにもそう断言してたんだけど………。
私、自分が思う以上に方向音痴だったみたい。
さあさあ!
気を取り直してひとり暮らしスタートしようっと。
私の部屋は
「5号室、5号室…っと。あった!」
一階の端っこから2番目のお部屋なんだ。
鍵は確か、カバンのポケットに…っと…。
あった、あった。
鍵を取り出してドアを開けようと手を伸ばすと…
「えっ!?」
誰かの手と、触れた。
「あっ、ごっごめんなさい。」
反射で謝ってから、あれ?と思う。
なんで、ほかの人がこの部屋に来るのかな?
恐る恐る、手の本人の方へと顔を上げると………
「えっ!?藤堂くん………っ!!?」
そこにいたのは、そう。
私の隣の席のクール王子。
藤堂くんだった。