恋チョイス

見れば、さっき走っていった、二人組の片われが、もじもじ足を踏みかえている。



「なにって、」べつに

あたしはいいかけて、ハッと理解した。


これは、逆スカウト。
というか、ナンパ!
チャンス!


「えー、べつに? そっちはなにしてんの?」


すばやく、態度チェエンジ。

持てるテクニックを駆使して、色気をふりまく。


「へえ、帰るとこなんだ。あたし? ううん、ひとりで帰るの淋しくって。えー、バイクのうしろに? いいの? いつもは友達のせてるのに? わるいよ。ほんと? まあ、そんなにいうなら、いっしょに帰ってあげても、いいけど?」



男子は、気絶した。

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