恋チョイス
10秒後。
男子は覚醒して、首がもげるほどうなずいた。
一丁あがり。
「おれ、一組のナカガワタケマサ」
ならんで歩きだすと、男子がいった。
「そうなんだ。あたしは」
いいかけて、さえぎられた。
「ヨシダ・リタさんでしょ! 知らないヤツいないから」
あたしは、あいそ笑いしつつ、目はとぎすませていた。
ゴウダほか、ピアス、アフロ、キミドリの影はない。
広場を抜けて、バイクが置いてあるという駐輪所へ。