恋チョイス



「出席簿順で、席が近くて仲良くなったんだけどさ、あいつ、母ちゃんみたいにうるさくて」


ナカガワはぼやきつつ、同じに見えるヘルメットを交換した。

「おれの使いなよ。あいつの使うと、バカがうつるから」



あたしは、半球形のヘルメットをひねくりまわした。


「どっちが前?」


「え、かぶったことないの?」


「うん」


「え、もしかして、バイク乗るの、初めて?」


「うん」


「え、えっ?! えー!」

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