恋チョイス



寮にたどりついた。

ヘルメットを返すさい、ナカガワの唇が、かすかにわなないているのに気づいた。


「さよなら」

あたしは、あとも見ずに、玄関をくぐった。



あくる日。

おはよう、の出迎えはなかった。



放課後。

ナカガワが、ヘルメットを抱えて、待っていた。

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