恋チョイス
ナカガワは、いま走らせているバイクについて、気ままにはなしていた。
あたしは、ナカガワの背中にヘルメットを押しあてて、うとうとしていた。
灼けたアスファルトの刺激臭。
たちのぼる陽炎。
道のさきの濃いみどり。
夏休みまで、あと一週間たらず。
二学期がはじまるころには、ゴウダとの関係も、フェードアウトしているだろう。
ゴウダを思って、ちょっと涙がでた。
けど、こうするより仕方ない。
もう、終わった恋。
そう思っていた。