恋チョイス



爆風のような衝撃が背なかを圧し、視界が、ゆるやかに赤黒く沈んだ。



気がつくと、靴。

顔のまえに、巨大な靴が縦になっていた。


「起きろ」


体のひろい面積に、固い感触。

遅ればせながら、地面に、うつぶせに倒れているのがわかった。


「起きろ」


手のひらをついて、体をおこそうとする。


が、のしかかる自分の重さをくつがえすことができない。

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