恋チョイス



「手っ取り早く、一回ヤっとこうかと思って」

ゴウダはくったくなくいった。


「あんなに酒強いとは、思わなかったよ。なんか混ぜとけばよかった」


そして、あたしの気持ちを、まったく勘定にいれない、自分につごうのいい理由をのべたてた。


「おまえがすっぽかした、パーティーあっただろ? あのとき、会わせるはずだったんだよ。ワシオさん。取り引きがらみで、これから世話になるヒトでさ。四十すぎ、時計はブルガリ、車はメルセデス。女子中高生が大好きなんだって。いい気持ちにしてやってよ。しこたま金もってるから、小遣いはずんでくれるぜ?」



あたしは、混乱した。

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