恋チョイス


あたしは、そのとっぴな言いがかりと、とほうもない額に、がくぜんとした。


「だって。だってあれは、あんたが、買ってやるって」


「そんなこといってねえよ。出してやる、とはいったけどな、一時的に。頼みきいてくれないなら、金かえせ。まさか、タダでくれてやってるとでも思ってたわけ?」



思っていた。


金は、自分の魅力へのみかえりで、受け取ってとうぜん、と思いこんでいた。


しかし、違ったらしい。

そんな魅力など、あたしには、なかったらしい。

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