恋チョイス



あたしは、ゴウダの足のアーチの下から、か細くみえる、自分の足をぬいて抱きよせた。


「返せっていわれても、あたし、金なんて持ってない」



「ヨシダさーん!」

ふいに、遠くのほうでよぶ声がした。


ちらっと、ゴウダと見交わす。

取り合わない、と目で了承しあったかのように、はなしをつづける。


「どっちか選択しろ。ヤるか、金かえすか」


「ヨシダさーん」


「どっちも選べなかったら?」

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