恋チョイス



「遅くなって、ごめん。先生につかまってて」

ゴウダが消えると、ナカガワは、泣きださんばかりに、ごめん、をくりかえした。


「ねえ、ゴウダさんに何かされたの? なんか、金とかきこえたけど。あと期限とか。おどされてるの? かつあげ?」


「べつに」


あたしは、上の空でこたえた。



とべ。

おれが受け止めてやる。


ゴウダの声が、深いところで、いつまでも甘く反響していた。



よく日。

あたしは、磨きあげた体をぞんぶんに飾りたてて、登校した。

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