恋チョイス
背が伸びたのかな。
あたしは近づきつつ、身長をおしはかった。
しかし、とくに変わりないもよう。
「乗せてもらって、いいの?」
「もちろん。これかぶって」
「やだ。なにこれ」
あたしは不平をこぼした。
わたされたのは、顎の下まですっぽりおおう形のヘルメット。
「これかわいくない。前のがいい」
「悪いけど、がまんして」
ナカガワはヘルメットを取りもどし、手ぎわよく、縦にひねるみたいにして、あたしの頭にかぶせた。
「事故ったとき、こっちのほうが安全だから」