恋チョイス



ナカガワのふれる部分から、むきだしの愛情がそそぎこまれて、あたしの身内をほとばしった。


その愛情の、おびただしい量と、はてしない大きさに、動転する。


恐怖さえおぼえた。


駆け引きも、うら表もない、純粋な愛情になれていなかった。


じつのハハオヤとの間でさえ、育まれたのは、憎悪だった。



壮絶な純粋にたじろいで、あたしは、ナカガワの手を払った。


清らかなナカガワを汚すまいとして、じりと身をひく。

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