恋チョイス

男心




なんら、あてのない放課後がやってきた。

あたしは、のろのろ席を立つ。



喪失と退屈をひいて帰ろうとしたら、ケータイが鳴った。

ききおぼえのある着信音に、ノドのおくで悲鳴がもれる。


あばれるケータイをつかみ、発信者名をたしかめた。

快感の津波にさらわれる。


「はい」



「おれ。まだ学校いる?」

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