恋チョイス
「だって、あれは、それに」
あたしは、ひとまず口をとじて、回らない舌をしまった。
すじ道だって考えようとするが、きらめくダイヤに脳はくらくら。
うまく働いてくれない。
「だって、あんなのプロポーズっていえないし。それに、襲うのに失敗したら、金払え。それで、金払ったら、こんどは結婚って、そういうことでしょ? あたしを引きとめて、しばるつもりでしょ?」
「そんなんじゃ、ねえよ」
ゴウダはなげき、つまんだリングをくりくりひねった。
「襲うとか、そういう言い方するなよ。二度としないからさ。金はあれ。おまえ、意地っぱりだろ? だから、負けを認めやすいように、返せっていったんだよ。まさか、ほんとに持ってくるとはな。おまえのこと、みくびってたよ。あの金、またやろうか?」