恋チョイス
「そのケータイ、ぼくがあげた、最新機種のいちばん高いやつ。名義もぼく。料金もぼくが払ってた。このまえ店にいったら、アヤノちゃんのこと、すごい噂になってたよ。ぼく、犯罪とか巻き込まれたくないからさ。じゃあ、これで」
「ねえ、ちょっと!」
「失礼しまーす」
「待って! おねがい! なんでもするから!」
「え」
「前さ、言ってたよね? 言うこときいてくれたら、いくらでも金払うって。だから助けて! なんでもするから!」
ごくり。
つばを飲む音がきこえた。
「ほんとに、なんでもする? 恥ずかしいことも、なんでも、だよ?」