恋チョイス



「うるさいな。火星だよ、火星から来た」


「へえ、えらい遠くから来たんだ。大変だったね。年いくつ?」


「三千三」


「へえ、けっこういってるんだ。若く見えるよ。血液型は?」


「イカリ型」


「へえ、意外。見ため、なで肩っぽいのに。そのかっこ、お嬢さまなの?」


「お姫さま」


「へえ、それはなんとなく感じてたわ。で、ケータイの番号は、あ、ついた。ここ、ここ」



いわれて、
あたしは、立ちどまった。


とたん、
危険! 危険!

頭の中で、警報が鳴りひびいた。

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