恋チョイス
ゴウダは、奥にひっこんだドアに向かい、はげしく打った。
「おい、おれだ! ここ開けろ!」
こもった声がかえってくる。
「なんで?! どうやって!」
「いいから、開けろ!」
「バリケードどうすんだよ!」
「しるか。開けろ!」
ドアのあちらで、ゴトゴトガタガタ振動がひびいた。
ときたま、ゴウダへの悪態がまじる。
三十分後。
ようやく、カチリ。
鍵のはずれる音がして、ゴウダはげっそり肩をおとした。
うらめしそうにあしを見、やおら、肘をつきだす。
「ほら」
「なによ、それ」
あたしは、さっと張りつめた。
「あんた、何たくらんでるの!」